2011-01-01から1年間の記事一覧

「ダメになる会社」 高橋伸夫著  ちくま新書

巷では、大王製紙のバカボンばくちつぎ込み事件、オリンパスの財テク失敗隠蔽事件などがあり、さらにそれ以外の会社の不祥事も週刊誌などで報道されている。 で、この本、実は1年ぐらい前に読んだのではないかと思う。会社法における機関設計のバリエーショ…

「その死に方は、迷惑です」  本田桂子著 集英社新書 感想

趣味の読書に絞れば小説や、素人向けの哲学入門書、少し仕事よりになれば英語学習書や経営関連のビジネス書(簡単なやつ)を読んでる、と言うことになるわけだけど、実は普通に生活をしていればいろいろな活字に目を通すわけで、新聞読むし、Web記事読むし、…

「おっぱいバレー」 2009年日本映画 綾瀬はるか主演

核心部分だけ書くと、駄目な中学バレーボール部の顧問となった教師(綾瀬はるか)が、成り行きで試合に勝ったらおっぱいを見せるという約束をしてしまい、駄目部員を奮い立たせるが、噂が立って教師を首になってしまう、しかし、バレーボール部員達は必死に…

「仕事をしたつもり」 海老原嗣生著    感想

本屋が好きで、僕の小さなリフレッシュポイントなのだけれど、時々ふわふわっと良い気持ちになって、ふわふわっと目に付いた本を買ってしまうときがある。それが当たりと言うこともあるわけだが。 本書はそんな風に買った本。ぱらぱらっとめくって、よくある…

木田元著「哲学は人生の役に立つのか」 感想文

相変わらず、木田元の本をぼつぼつ読んでいる。新書という大衆的な出版形式でこれだけ沢山著書が出ると言うことは、木田元先生は人気があると言うことだろう。すでに以前の感想で書いたことであるが、哲学者、もしくは大学教授という立場をかさにきて「難し…

映画「はやぶさ」 を見た。 私的レビュー

一大ブームになった小惑星探査機はやぶさの帰還については、僕も胸をわくわくさせ、涙腺が緩んだ一人である。科学的なプロジェクトであるのにどうしてこんなに心を動かされるのか、涙まで流してしまうのか不思議だった。 今でも不思議で、問い詰めていけば、…

トランスポーター 2002年作品

リュック・ベッソン製作・脚本。 頭を使わずに単純にわくわくどきどきしながら見ていれば良い作品である。2,3と続編が作られているが、2を見た限りでは、よくあることだが一の方がいい。プロットははっきり言ってどうでも良い。あえてどうでも良いありき…

「負けた物がみな貰う」 グレアム・グリーン  丸谷才一訳

高名な作者、名作と言われる作品でも、相性の良い悪いと言うことはやはりあるようだ。グレアム・グリーンは僕にとって、今ひとつ掴みにくい作家だ。と言っても、本作以外には短編集を読んだだけなのだけれど、目の付け所のポイントがわかりにくく、作品のバ…

「クリスタル殺人事件」 1980年

アガサクリスティもの集中放送の一つ。これはミス・マープルものだった。マープル役はアンジェラ・ラズベリー。ジェシカ伯母さんの事件簿をやった人であり、「ナイル殺人事件」にも、殺されてしまう作家役で出ていた。 この映画の魅力はなんと言っても、エリ…

「反哲学入門」 木田元著  新潮文庫

またまた木田元先生の本である。すでに木田先生の本は「反哲学史」を読み蒙を啓かれる思いをしたので、本書を本屋で見かけたときには思わず手が出てしまった。 「反哲学史」より書かれた時代は新しく、著者が大病(胃がんということらしい)を患った後に、イ…

エイリアン2 1986年

監督ジェームズ・キャメロン。ターミネーターやタイタニックを監督した人ですね。 主演 ご存じシガニー・ウイーバー(最近名前を聞きませんね。) 内田樹先生が「エイリアン」の物語分析をその著書でしているが、(確かめずに書いて申し訳ないが、女性蔑視と…

地中海殺人事件 感想  1982年

アガサ・クリスティ生誕百年だという理由であったか、映画化作品がケーブルテレビで連続して放送されている。「ナイル殺人事件」を改めて見て、なかなか良かったので、姉妹編ともいえる本作も見てみた。 全体としては、「ナイル」より小ぶりな作りで、ポアロ…

ナイル殺人事件   感想  1978年製作

アガサ・クリスティ原作の定番映画。ポワロ役はピーター・ユスチノフ。謎解き自体はあまりおもしろく思えなかったが、そこに至る演出、ロケ地、風景、役者は豪勢で、大いに楽しめます。一種のコスチュームムービーと言うことかな。 大英帝国華やかなりし時の…

「ニューオリンズ トライアル」 2003年アメリカ映画

原作ジョン・グリシャム、ジョン・キューザック、ダスティン・ホフマン、ジーン・ハックマン、とスターをそろえた法廷映画。陪審の評決を売るというプロットに絡めて、銃規制の問題を表に出していく。 僕はなかなかおもしろく鑑賞したけれど、興行的にはあま…

「デリダ」 ちくま学芸文庫

しばらく前に読んだ同じ文庫の「フーコー」のできがとても良かったので、同じシリーズと思われる「デリダ」を買って見た。もっともフーコーについては、今まで入門書レベルとはいえ3,4冊読んでいるのだけれどデリダは初めだった。名前だけは知っていたけ…

「なにもかも小林秀雄に教わった」 木田元著

木田元は、80歳を超える哲学の先生である。メルロ・ポンティあたりの翻訳が沢山あり、若い頃に読んだ人も多いかもしれない。このところ地味ながらちょっとした木田元ブームが起きているのではないかと思わないこともない。日経新聞での私の履歴書連載、本…

「論語物語」 下村湖人著 講談社学術文庫

古典を読んでみようか、と言うことで始めた論語関連の読書に結構はまって、定番の岩波文庫版を手始めに何冊か読み、このブログにも井上靖の「孔子」を読んだ感想を乗せたのだった。 井上版「孔子」が、最終的に「故郷」というキーワードに収斂して、結末で井…

「フーコー」 感想文 ちくま学芸文庫

著者:リディア・アリックス・フィリンガム 編訳者:栗原 仁、 慎改康之 またまたフーコー本だ。今回は欧米で出版されたイラスト(漫画)付き簡略解説本の翻訳と言うところだろうか。 しかし、侮るなかれ。ある意味で今までで一番わかりやすくて良かったとい…

「アウトブレイク」 1995年アメリカ映画

ダスティン・ホフマン主演の、アクション映画。アフリカからエボラ出血熱のようなウイルスがアメリカに持ち込まれ、細菌兵器についての研究を隠したい軍の一部(ドナルド・サザーランド演じる将軍など)は感染した街一つ、2600人を殲滅しようとするのだ…

「ノー・グッド・シングス」 2003年 アメリカ映画

ちょっとググってみたが、原作は、ハメットだそうだ。出だしの家出娘のことなど、どこかへ行ってしまう。よりシリアスな銀行強盗を企む凶悪な犯罪集団に主人公の警官(サミュエル・L・ジャクソン)は巻き込まれる。原作は短編ではないかと思うが、うまいつ…

「娘・妻・母」 1960年東宝映画 成瀬己喜男監督

僕にとっては、まず出演者が堪らない。加藤大介、森雅之、杉村春子、三益愛子、高峯秀子、原節子、宝田明、仲代達矢、草笛光子、小泉博、そして僕が子供の頃日本生命のコマーシャルでおばちゃんの役をやっている女優が、そのまま生命保険のおばちゃんの役を…

映画 「コクリコ坂から」を見てきました。

会社の同僚が夫婦で見て、涙を流すほどよかったので是非見てくれ、と言うので、夏休みであるし、奥方と鑑賞してきた。ちなみに今日は平日で、稼働している会社も多くて、映画館はがらがらだった。宮崎アニメの中ではヒットしないほうかもしれないな。 舞台は…

「ルポ 貧困大国アメリカ」 堤 未果著  感想

岩波新書で2008年1月に発行され、話題になった本である。定価700円とあるが、売れている本は何となく敬遠してしまう悪い癖がでて、今頃古本屋で105円で購入。 アメリカにおいて、主にレーガン・ブッシュ政権時代に教育、医療と言った部分を含め広く民営化さ…

ページビューはロボットの巡回?

天気のよい日曜日。布団を干して、スクーターに乗って、ジムに行き、軽く運動する。悪くないね。実は結構息が絶え絶えだったりするのだが。それに午後は疲れてしまって何もする気がせずに何にも手がつかない感じで過ぎてしまったりしているのだが。 で、ペー…

「その英語、ちょっとエラそうです」 デイビッド セイン著 感想

しかし、本当に僕は英語本が好きだなあ。この本は青春新書でシリーズとなっているらしいものの一冊。 この表題、そして読んでみるとわかるが、編集方針が、ネイティブがどう思うか、ネイティブにとって自然な表現は何か、という立場で貫かれている。 ちょっ…

「90分でわかるフーコー」 感想

イギリスの作家ポール・ストラザーンがシリーズで出している90分でわかる哲学者シリーズの一冊である。 実は2度目の読了。フーコーは亡くなって20年近く経つとは言え、現代フランスの人気のある哲学者だから、入門、概説と言った本は結構ある。その中で…

「大地震 死んではいけない!」 感想

2008年夏、僕は実家で大きな地震に遭遇し、怖い思いをした。幸い家の屋根が少し壊れた程度で(って、結構すごいことだと思うが)家族は皆無事だった。それでもこれは教訓としなければいけないな、と考えて買ったのが、この本である。講談社+α文庫。 し…

それでは、「日本人が誤解する英語」 書評、というか感想

著者のマーク・ピーターセンさんは、来日してから長らく日本人に英語を教える、日本人の英語論文を添削する仕事に携わっている方で、今は関西方面の大学の先生をしているらしい。ずいぶん前だが、岩波新書で「日本人の英語」というベストセラーあり。 まず対…

「日本人が誤解する英語」 書評 の前に。

英語好き、というより英語学習好きと言った方が良いかもしれない僕はこんな年になっても性懲りもなく英語学習本を買ってしまう。で、上記の本も駅の本屋でふらふらと買ってしまったものだが、珍しく読み通した。部分的には2度も。早速書評に入りたいところ…

ハーモニー 感想文   伊藤計劃著

虐殺器官を読み、圧倒された伊藤計劃の遺作である。 先頃、米国でフィリップ・K・ディック賞において、 特別賞?か何か受賞し、改めて文庫版が出版された。 僕は虐殺器官を読んだ折、著作を探して、ハヤカワJシリーズ のものを買って、つん読しておいたも…