「その英語、ちょっとエラそうです」 デイビッド セイン著 感想

 しかし、本当に僕は英語本が好きだなあ。この本は青春新書でシリーズとなっているらしいものの一冊。
 この表題、そして読んでみるとわかるが、編集方針が、ネイティブがどう思うか、ネイティブにとって自然な表現は何か、という立場で貫かれている。
 ちょっと前に書いたけれどそういう立ち位置がもう古いと思うんだよね。でも僕たちはネイティブでは無いわけだから、この立ち位置で英語本をつくれば、種は尽きないわけだ。奴隷根性を廃す、などと力んでみても、商売の上からは旨みがあるのね。根が深いな、この問題は。
 とはいえ、前書きで著者の言っていることはとてもまとも。売らんかなの編集方針とは一線を画しているように感じる。
 肝心の中身は、「そうはいっても、そういう裏の意味は文脈に依存する部分が多いいんじゃないの?それをまた丸暗記するのはかえって危険では?」と思えるような例も散見されるけれど、あ、そうだよね、とうなずけるものも結構ある。
 悲しいときに、I'm sad. はおかしいとか、独身の男が奥さん募集中の時、He is looking for a wife. であって He is looking for his wife.ではない、(後者は結婚していて、その奥さんを探しているという意味にとられる)というあたりはなかなか勉強になった。
 冠詞の使い方に敏感に、と言う点では「日本人が誤解する英語」に通じるものがあるね。
 全体に、ネイティブマンセーの編集には辟易するが、役立つ部分もあるので、やはりブックオフには売りません。シリーズ本も買うかも。
 英語好きの大学生、若いサラリーマンなどには良いかな。