2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「日本の同時代小説」 斎藤美奈子著  岩波新書

「日本の現代小説」という中村光夫の名著が出版されてから五十年、その続編を企図し、現代の文芸批評で、フェミ系と言って良いだろう立場から批評活動を続けている斎藤美奈子の著書である。「日本の現代小説」の後を受けて、その後約五十年の日本の文学、小…

工場  小山田浩子作   新潮文庫   

大変魅力的な作品だ。僕自身、メーカーに勤めるサラリーマンであるので、主人公達が勤める工場ほど巨大な工場に勤めた経験はないが、勤め人としての経験から、ビンビン響く場面・言葉があり、大変面白く読んだ。 語り手は、三人居て、それが明確に示されず、…

音楽  三島由紀夫 作

再び、三島由紀夫作品について。三島熱は、まだ続いている。「音楽」は、三島の主要作品とは捉えられていないようだ。「音楽」とは女性の性的オルガズムの謂いであって、不感症の美しい女性が、精神分析医に治療を受ける過程が分析医の手記の形で小説となっ…

「最低。」 紗倉まな作  感想文

紗倉まなはAV女優としてすでに長いキャリアをもち、活躍しているが、エッセイ、SNSの様々なメディア、yuutubeなどで、積極的に情報発信をしている。そして小説も発表しているので、興味を持った。AV女優であって、作家であってというところについて、…