2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「諦念後」  小田嶋 隆著  亜紀書房

小田嶋氏は1956年生まれ、2022年6月に惜しくも病気のために世を去った。私より数年年長であるが、ほぼ同世代と言うことになる。 小田嶋氏が晩年(今となってはそう言わざるを得ないが)に日経ビジネスなどに連載していたエッセイ、また、twitterでの書き込み…

「The BEST 10分間ミステリー」  宝島社文庫

今年の3月に中山七里氏の「さよならドビュッシー」の感想をアップしている。デビュー作としてのレベルの高さを絶賛したのだが、欠点として人物描写の浅さを挙げている。 これは、執筆経験を積めば技術が高まるはずなので、習熟した中山氏の作品を読みたいと…

「日本ってどんな国」 本田由紀著 ちくまプリマー新書

著者は東京大学大学院教育学研究科教授。 一般向けにも多数の著作を発表している、新聞にも度々登場する著名な学者である。 この本は、日本の家族、ジェンダーや学校や、仕事や、友達などの有り様を、各種の国際比較が可能な調査、統計を駆使して社会学的な…

「史的システムとしての資本主義」 ウォーラーステイン著 川北稔訳 岩波文庫

ウォーラーステインはアメリカの学者で、1930年生まれ、ポーランド系ユダヤ人のとのこと。2019年に亡くなっている。世界システム論に関する膨大な著作がある。あれこれの本の中で名前が出てくるので何か簡便に分かる著作はないか、と探したら2022年に文庫本…