2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「小松とうさちゃん」 絲山秋子著 河出文庫  感想文

絲山秋子の中編と、二つの短編が収められている文庫本である。 絲山秋子の作品を、本屋で手に入る順に(出版された順番にはあまりこだわらず)読み続けている。この作品集においては、一番長い中編作品「小松とうさちゃん」について書いておきたい。 小松と…

「忘れられたワルツ」 絲山秋子著 河出文庫  感想文

絲山秋子の短編集である。マイブームで絲山秋子を読み続けている。 短編集であるから、それぞれに個性の異なった小説が7つ収められているのであるが、ここでは主に、最期に収められた「神と増田喜十郎」について語りたい。 まず、増田喜十郎という人物造形に…