「ダメになる会社」 高橋伸夫著  ちくま新書

巷では、大王製紙バカボンばくちつぎ込み事件、オリンパス財テク失敗隠蔽事件などがあり、さらにそれ以外の会社の不祥事も週刊誌などで報道されている。
 で、この本、実は1年ぐらい前に読んだのではないかと思う。会社法における機関設計のバリエーションと、その意味、特にそれで会社というものが本当にうまく、不祥事など起こさずに運営されるのか、と言う点に焦点がある。で、要するに、最高経営責任者、普通は社長、がろくでもないと、会社もろくでもないことになる、いくら機関設計をあーだの、こーだの、SOXだのいじっても、という、すこし経験を積んだサラリーマンなら胸の奥に抱いていることを主張している。
そうなんだよね、本当に。特に優れた人でなくても良いから、(別にスティージョブズビルゲイツや、マクドナルドの社長や、ワタミの社長みたいな人でなくても、CoCo壱番屋の名誉創業者も入れておくか)、ばくちをせず、会社の金と自分の金の区別がついて毎日マジメに仕事をして、人としっかりコミュニケーションがとれて、責任を取ることを知っていれば、少なくとも、上に述べた会社のようにはならないよね、って話なのだ。
 まあ、オリンパスについては、いろいろ考慮しなければならない点もあると思うがここでは省く。
 その会社でマジメに働いている普通の人が本当に気の毒だ。お願いしますよ。
 そういう部分を除いても、会社法における機関設計の意味をコンパクトに把握するという意味では良い本。七四〇円(税別)出して損はない。

ダメになる会社企業はなぜ転落するのか? (ちくま新書)

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