本を読んだ

「デリダ」 ちくま学芸文庫

しばらく前に読んだ同じ文庫の「フーコー」のできがとても良かったので、同じシリーズと思われる「デリダ」を買って見た。もっともフーコーについては、今まで入門書レベルとはいえ3,4冊読んでいるのだけれどデリダは初めだった。名前だけは知っていたけ…

「なにもかも小林秀雄に教わった」 木田元著

木田元は、80歳を超える哲学の先生である。メルロ・ポンティあたりの翻訳が沢山あり、若い頃に読んだ人も多いかもしれない。このところ地味ながらちょっとした木田元ブームが起きているのではないかと思わないこともない。日経新聞での私の履歴書連載、本…

「論語物語」 下村湖人著 講談社学術文庫

古典を読んでみようか、と言うことで始めた論語関連の読書に結構はまって、定番の岩波文庫版を手始めに何冊か読み、このブログにも井上靖の「孔子」を読んだ感想を乗せたのだった。 井上版「孔子」が、最終的に「故郷」というキーワードに収斂して、結末で井…

「フーコー」 感想文 ちくま学芸文庫

著者:リディア・アリックス・フィリンガム 編訳者:栗原 仁、 慎改康之 またまたフーコー本だ。今回は欧米で出版されたイラスト(漫画)付き簡略解説本の翻訳と言うところだろうか。 しかし、侮るなかれ。ある意味で今までで一番わかりやすくて良かったとい…

「ルポ 貧困大国アメリカ」 堤 未果著  感想

岩波新書で2008年1月に発行され、話題になった本である。定価700円とあるが、売れている本は何となく敬遠してしまう悪い癖がでて、今頃古本屋で105円で購入。 アメリカにおいて、主にレーガン・ブッシュ政権時代に教育、医療と言った部分を含め広く民営化さ…

「その英語、ちょっとエラそうです」 デイビッド セイン著 感想

しかし、本当に僕は英語本が好きだなあ。この本は青春新書でシリーズとなっているらしいものの一冊。 この表題、そして読んでみるとわかるが、編集方針が、ネイティブがどう思うか、ネイティブにとって自然な表現は何か、という立場で貫かれている。 ちょっ…

「90分でわかるフーコー」 感想

イギリスの作家ポール・ストラザーンがシリーズで出している90分でわかる哲学者シリーズの一冊である。 実は2度目の読了。フーコーは亡くなって20年近く経つとは言え、現代フランスの人気のある哲学者だから、入門、概説と言った本は結構ある。その中で…

「大地震 死んではいけない!」 感想

2008年夏、僕は実家で大きな地震に遭遇し、怖い思いをした。幸い家の屋根が少し壊れた程度で(って、結構すごいことだと思うが)家族は皆無事だった。それでもこれは教訓としなければいけないな、と考えて買ったのが、この本である。講談社+α文庫。 し…

それでは、「日本人が誤解する英語」 書評、というか感想

著者のマーク・ピーターセンさんは、来日してから長らく日本人に英語を教える、日本人の英語論文を添削する仕事に携わっている方で、今は関西方面の大学の先生をしているらしい。ずいぶん前だが、岩波新書で「日本人の英語」というベストセラーあり。 まず対…

「日本人が誤解する英語」 書評 の前に。

英語好き、というより英語学習好きと言った方が良いかもしれない僕はこんな年になっても性懲りもなく英語学習本を買ってしまう。で、上記の本も駅の本屋でふらふらと買ってしまったものだが、珍しく読み通した。部分的には2度も。早速書評に入りたいところ…

ハーモニー 感想文   伊藤計劃著

虐殺器官を読み、圧倒された伊藤計劃の遺作である。 先頃、米国でフィリップ・K・ディック賞において、 特別賞?か何か受賞し、改めて文庫版が出版された。 僕は虐殺器官を読んだ折、著作を探して、ハヤカワJシリーズ のものを買って、つん読しておいたも…

「孔子」 井上靖著  を読む

世間では、もしかしたら一種の古典ブーム、哲学ブームが起きていて、その一環としてもしかしたら、論語も結構読まれているのかもしれない。優しく解釈したバージョンも本屋でよく見かけるしね。 実は数年前から、僕も論語を読んで、結構はまっている。定番と…