「英国王のスピーチ」を妻と二人で見た休日

本年度アカデミー賞作品賞、主演男優賞受賞作。日経新聞の映画評で今年見逃せない傑作、
と評されていた作品。ぜひ見たいと思っていたのでわが配偶者と一緒に久しぶりに映画館で
見た。

すばらしい映画だと思います。認めます。コリン・ファースの演技は確かにまじめで
要点をおさえ、すばらしい。ジェフリー・ラッシュの人生の深みを感じさせる表情も
すばらしい。構成も要を得ていて、よく多様な要素を2時間以内に収めている、と
思う。と言うわけで上品で、見て損はない映画だと思うが。

一方で、胸躍るわけではなく、深く胸を打つわけではなく、(いや十分に感動的
なのだが、)2時間が過ぎた。

僕は不感症になってしまったのだろうか?

最近は、「24」を3シーズン近く見たり、黒沢映画を見たりしていたから、
どうしてもこってりしたしつこいぐらいの演出に慣れてしまっているのかもしれない。
その点、この映画は映画的凝った演出に淫することなく、一方で現代的な
テンポのよい話の展開を忘れない演出であるから、どうしてもよくできた
テレビドラマを見ているような気持ちになってしまうのかもしれない。

さらに、やはりイギリス王室の話は日本人には遠いのかもしれないな。
僕の中に、イギリスに親しみを覚えながらもかすかに嫌悪を覚えている
部分もあるし。どうしてそこまで身分についてがたがた言うのか、いまいち
わからないところが当然ながらあるし。

あと、チャーチルがもっと似ているとよかったな。

とはいえ、僕が楽しまなかったかと言えばさにあらず。やはり映画館は
よくて、2時間集中してストーリーに浸り、美しい画面に触れ、英語の
やり取りに耳をそばだてた。

星4つと言うところか。