映画「マークスの山」 を見た

高村薫原作のミステリー作品。合田(ごうだ)という刑事が主人公。
60年代の新左翼運動における内ゲバ殺人事件を起こした学生たちは
いまや、みな出世して社会的地位を得ている。しかし、過去の亡霊の
ような脅しがあり、殺しが続いていく。
追う合田刑事。警察内部の暴力性も描かれる。
といっても、実は筋がよく追えなかった。脅す側の少し頭のいかれた
青年と、看護婦(名取裕子)の絡み方もよくわからなかった。
 このあたりは原作を読まなくてはいけないのだろうか。

 1.小林稔侍演じる内ゲバ殺人仲間の一人である弁護士と犯人の青年の
   殴り合いは迫力があった。内に押し殺してきた情念が吹き出るような
   迫力を感じた。
 2.まだ若い名取裕子の豊かな胸、セックスシーンはなかなかよかった。
   こういう場面は映画でなくてはね。

 3.一方、合田を演じる中井貴一はミスキャストだと思う。むしろ、
   対立する刑事を演じる萩原流行のほうが僕のイメージには合うのだけれど。
   中井貴一の坊ちゃん刈りが、ちょっとすれたような、いなしたような口調で
   せりふを言うのがなんとも似合わない。
   
 全体としてもうひとつよくわからない作品でした。新左翼の仲間殺しが
 重要なモチーフであって、そこに思い入れがあるのは確かだが。そういう  
 テーマは嫌いではないが、原作を呼んで見なくてはよく評価できない。
 というか、原作を読んで見なくてはわからん、と思う時点でだめか。
 星2つ半。というところ?