蘇州夜曲 

1940年、と言うから今から70年前の映画である。若き長谷川一夫山口淑子が主演。山口淑子李香蘭という中国人として出演していた。
日本が満州を支配していたときの、中国を舞台とした映画である。

中国語で話す部分の字幕がなく、ちょっと分からない部分あり。

政治的には、弱い中国は寛大に支配する日本に従え、と言う意味を読み取ることができるけれど、インパクトは弱い。

全体に演出がよく言えばおっとりしている、はっきり言えばかったるい。脚本も、主人公達が出会って結婚するまでの心理的曲折というものの表現がぼんやりしている。メロドラマ的出来事は幾つかあるのだけれど。

 一言で言えば、美男美女俳優のポートレイト映画のように感じた。
長谷川一夫は確かに美男だが、なまっ白くて頬がややふくらんだ、お公家さんのような風情。年配になってからの顔の方が渋くて言いと思う。山口淑子はもう少し背丈があれば。

 しかし、歴史的には、日本の満州支配がなければ生まれなかった作品。二人が散策する街や公園の風景を興味深く見た。

  歴史的価値に免じて、星3つと言うところかな。

 CATVにて。