2026-01-01から1年間の記事一覧

日本の同時代小説  斎藤美奈子著  岩波新書

しばらく前に「出世と恋愛」を読み、すでにあげた感想文に記した通り面白かったのであるが、本棚を見たら、同じ斎藤氏の「日本の同時代小説」があるではないか。すっかり忘れていた。一度通読したはずであるが、改めて読み終えたので感想を記す。 この本は、…

赤い追憶 阿刀田高著 集英社文庫

阿刀田高の短編解説エッセイが楽しかったので、短編集を読んでみた。結論から言うと、私の好みからややずれるかもしれない。 エッセイの中で、著者は読者を読書の謎解きの9合目まで連れて行くのが自分の流儀だと語っている。チェーホフは6合目ぐらいまで、…

海外短編のテクニック 阿刀田高著 集英社新書

短編小説の名手と言われ、啓蒙的なエッセイでも有名な阿刀田高が、海外短編のプロット、トリックなど、その魅力について語った本。 面白かった。 扱われる作家は以下の通り。モーパッサンサマセット・モームチェーホフO・ヘンリースレッサーメリメカフカヘミ…

一寸先は闇  佐藤優 五木寛之対談録  幻冬舎新書

先に、「国難のインテリジェンス」にて対談していた二人が改めて新書一冊分対談したもの。大変面白く読んだ。 印象に残ったのは、やはり戦前の空気を知る世代である五木寛之の数々の発言。 当時の一般大衆は戦争に負けるなんて思ってなかった、日本の戦闘機…

「振り仮名」があれば、学力は上がるのか 松本 大著 ポプラ新書

松本 大氏は、ビジネスマンなら知っているであろう、マネックス証券の創業者で、現マネックスグループ取締役会議長とのことである。本業とは関係ないのだが、かねて印刷物におけるルビの重要性を痛感され、ルビが現代日本において減少し、その重要性が認識さ…

国難のインテリジェンス  佐藤優著  新潮新書

2020年から2022年にかけて、週刊新潮誌上で行われた対談をまとめたもの。全14人、従って一人一人との話はさほど長くない。佐藤氏のいわば専門分野であるロシア、国際外交、あるいはキリスト教、マルクシズムに偏ることなく様々な分野から対談相手…

出世と恋愛  斎藤美奈子著  講談社現代新書

まず、この本で扱っている小説を以下に列記する。夏目漱石 三四郎森鴎外 青年田山花袋 田舎教師武者小路実篤 友情島崎藤村 桜の実の熟する時細井和喜蔵 奴隷徳富蘆花 不如帰尾崎紅葉 金色夜叉伊藤左千夫 野菊の墓有島武郎 或る女菊池寛 真珠婦人宮本百合子 …

若きウェルテルの悩み   ゲーテ作  新潮文庫

魔の山を読み終えて次は戦争と平和と決めてあったが、何しろ長いから、短めのものを一つ読もうと思って選んだ作品。これも名作の誉れ高く読むべきリスト上位でありながら読んでいなかった若きゲーテの作品だ。叙述のスタイル 書簡体、すなわち、ほとんどがウ…

千羽鶴  川端康成作  新潮文庫版

千羽鶴 川端康成作 新潮文庫 (続編波千鳥含む) 初めに 日本の代表的な作家のひとりである川端康成の主要な作品を読んでいこうと考えている。かつて雪国、山の音、掌の小説は読んだと思うが、もはや内容がよく思い出せない。伊豆の踊子はあやふやだったので…

魔の山  トーマス・マン作  新潮文庫

.魔の山 トーマス・マン作 新潮文庫 初めに本好きと言う意識がある割には、王道の名作をあまり読まないうちにこの年になってしまった。若い頃に、赤と黒、ゴリオ爺さん、ボバリー夫人、アンナ・カレーニナ、罪と罰ぐらいは読んでいる。文学好き、できれば文…

AIテックを押さえ込め!  感想文

AIとはどのようなものか、社会に及ぼす影響はどのようなものか、私はAIはマーケティング用語だ、という言葉に共感しており、知識が乏しいながら、AIには懐疑的である。知識を補うべく、関連する本を探して読んでいる。これは、図書館で借りた新刊本で…

映画  国宝 の感想

2026年2月2日に、話題の映画、と言ってももう大分前に封切られたものだが、「国宝」を映画館で見てきた。 3時間を退屈せずに見ることができた。それは素晴らしいのだが、一口で言えば、これは吉沢亮の演技、横浜流星の演技を見て愛でることができればそれで…